導入事例

土佐病院院長 須藤 康彦 様

新世代育成を支えるMENTAT®のチカラ

~最新技術が実現する脱・属人化~

昭和8年に創設され間もなく90年。
「誠意」「協調」「進歩」という基本理念を掲げ、地域医療を支えてきた土佐病院。
時代がめまぐるしく変化していきた中で、院長の須藤先生が、今、必要だと感じているものはどんなものでしょうか?

「元々新しい技術には興味がありました。特に医療機関の中にはセキュリティの面などを心配してネットに繋がることに消極的なところもありますが、自分はそう考えていません。次々と開発される新しい技術を使うことで、よりいい医療に結びつけることができればと思います。

精神科医療は重症度を数値化するのが難しい分野です。内科なら血圧、ヘモグロビン値など数値化できますが、精神科は薬の量では重症かは分かりませんし、隔離の日数など限られた情報を基に考えるしかなかったのです。そこを最新技術で補うことができればと考えていた中でMENTATに出会いました。

テレビ番組などで、AIのワトソンが活躍している姿を見ていて印象に残っていたこともあり、そのワトソンを使って自然言語処理をするMENTATに惹かれたところは大きいです。精神科においては、やはりカルテを読み込む言語処理能力が大きな課題だと感じていたので、それが変わるのではないかという期待を持ちました」

実際にMENTAT®を導入し、活用してきて、有用だと感じているのはどういうところでしょうか?

「状態が数値化されない精神科医療で、最も大事なことは患者さんの声を聞き寄り添うことだと考えています。なので、他者に関心を持つことが大切です。自覚症状のない患者さんも多く、相手に関心をもち、話を引き出してあげなければなりませんし、疾患そのものだけでなく患者さんの置かれた社会背景、家族背景までをも考慮しなければいけません。そのため、高い教養はもちろんですが、医師自身の人間としての懐の深さが求められます。

だからこそ、今までの精神科は得てして属人的になりがちでした。

患者さんによっては特定の医療者の前でだけ話をしてくれるようなケースもあります。話の内容はもちろん、表情や行動、バックグラウンドや家族歴、生活環境などいろいろなファクターを把握した上で、それをどこまで理解できるかという点では、経験や腕の差が出やすいところがあったと思います。

しかし、MENTATはそういった暗黙知を可視化してくれます。『この人は具合が悪い』と誰かが思っても、他の人は思っていないこともありますが、症状や特徴を見える状態にしてくれることで共通の認識ができるのがメリットだと感じています。

また、それによって、次世代を担う若手の医師の育成にもいい影響があるのではないかと感じます。

我々の頃は、徒弟制のような形で、いろいろなことを先輩から教わるような風習がありました。しかし『なぜこういう診断になったのか?』と尋ねても『経験すればわかる』と言われてしまい、理解しにくいこともたくさんありました。

MENTATによって属人化されていたものが共通認識となれば、理解も深まりますし、前向きに携わっていくことができますよね。そうすると、若手の医師はさらに経験を積んでいくチャンスにもなりますし、結果として、多くの患者さんに質の高い医療を届けられるのではないかと思います。次世代の医師たちが進んでいく未来のためにもMENTATに期待する部分は大きいです」


精神科救急病棟の看護師であり、教育主任でもある下原貴広さんもまた土佐病院でMENTAT®を活用している一人。
看護の視点での活用方法などについて伺いました。

「『協調』を理念の一つに掲げる土佐病院では、チーム医療の必要性が叫ばれる前から様々な職種が一人の患者さんに関わることを大切にしてきました。そんな中で、MENTATは救急病棟の毎週行っているカンファレンスで使用し、画面をみんなで見ながらすすめています。他にも、看護の事例検討会で薬の状況を確認する部分で使っています。

須藤先生も言っていましたが、精神科は具体的に数値化されないこともあって、看護としても患者さんに何をしたらいいかが分かりにくいというところがあります。そのため、様々な要素をグラフ化していくことができたら、その患者の退院時期など分析できるのではないかと、以前から感じていました。また、それを実現することができれば、現場としても負担の軽減に繋がるのではないかとも思っていました。

薬の処方歴をはじめ、いろいろなことをグラフなどで可視化してくれるMENTATは分析することに役立つので、個人的にはとても有用だと感じています。カルテを頼りに進める場合、言葉は読まないと頭の中で映像化できません。しかし、グラフになっていると直感的に理解することができます。それは大きなメリットではないでしょうか。

現時点では、MENTATが示してくれるものを、カルテの情報などでフォローしながら進めている部分もありますし、院内でもっと多くの人が使いこなせるようになるには、努力も必要だと感じています。できる限り現場の声を開発サイドに届けていくことが、分析の精度を高めることや発展に繋がっていくと思うので、役立つ意見を伝えることは惜しみません。

さらに精度が高まり、似たような患者さんはこれくらいに退院されて、これくらいの再入院率だということを、先生方が画面を使って説明できるようになれば、きっと患者さんも『治療を頑張れば退院できる』『再入院せずに済む』と感じて前向きに取り組んでくれるようになると思うので、患者さん自身にとってもいいものになっていくことを期待しています」

患者さんにとって質の高い医療を届けたいという思いは、関わる全ての人たちが持っているものです。
土佐病院の方々はそのさらに先、次の世代へ繋いでいくことを強く意識されているように感じました。
現場の声を受けてさらに進化し、若手医師の成長をサポートすることで、MENTAT®が精神科医療に明るい未来を照らし出すことができればと考えています。